読書レポ「メンタルモデル」

こんにちは、服部です。
Craft Studioでは、UXや人間中心設計という思想をサービスの根幹に据えて、Webサイト及びアプリの調査・設計に取り組んでいるため、実践はもちろんのこと、その分野の知見を深めるべく、各人で専門書の読書を進めています。
今回は以下の本についての読書レポを書きました。

メンタルモデルとは?

そもそもこの本のテーマとなっている「メンタルモデル」とは何なのかというと「特定のテーマにおける人々の一連の行動モデル」のことを指します。具体例を示しましょう。

テーマ:朝の支度
起きる、顔を洗う、朝食を作る、朝食を食べる、皿を洗う、歯を磨く、服を着替える、髪を整える、腕時計をつける、家を出る

テーマ:映画を見る
CMを見る、見に行く人を誘う、近くの映画館を調べる、見に行く日を決める、時間を決める、映画館の周りのレストランを調べる、映画に行く、映画を見る、食事をする、感想を言い合う

これらの行動様式は、当然人によって異なるため、メンタルモデルを作る際には複数の人に同一テーマでインタビューし、その行動パターンを整理・分析していきます。

本の中では「人々が安定して連続的に取る行動モデル」「本質として人々が達成しようとしていること」という表現で定義されています。

本書から学んだこと

本の中ではメンタルモデルの生成過程が詳細に解説されています。その中で覚えておくべきポイントだと思った点を2つご紹介します。

ユーザーを誘導してはいけない

一般的なインタビューの場合、何らかの仮説を裏付けるための質問をユーザーに投げかけるイメージがありますが、メンタルモデルを作る際には最初に仮説を立てません。
まず、ユーザーにできるだけ自由に話してもらい、記録し、集まった情報を分類・整理します。
インタビューの時にはユーザーを誘導するような質問の仕方をしてはいけません。
なぜなら、ユーザーが普段から特別意識せずに行動していることや考えていることにこそ、本来の行動原理が隠されているからです。
誘導するような質問をしてしまうと、純粋な行動プロセスをヒアリングできない可能性が出てきてしまいます。

名詞ではなく、動詞に注目する

ユーザーの行動を分析するフェーズにおいては、多数の言葉を分類していかなければいけないのですが、「電話で」「メールで」という手段での分類、「どこで」などの場所での分類というのは、ついついやってしまいがちな間違った方法です。
メンタルモデルはユーザーの行動プロセスを描いたものでなければいけないので、常に「●●する」という動詞部分に注目して分類・整理をしていく必要があります。

読後所感

一通り読み終えた時にまず思ったのは「この調査、めっちゃ大変…」ということです。
何が大変かと言うと、膨大な情報を分類・整理するときの緻密さ。
本で流れを追っているだけでも頭を使うぐらいなので、実際にインタビューした後のスクリプトから適切なワードを拾って細かく定義・分類していく作業には、相当な時間と労力がかかりそうです。

本書で学んだことを実践したいという気持ちもある一方で、いきなり詳細な方法論を読んでしまったのでそればかりに囚われてしまいそうという懸念もあります。
方法論を学ぶことも大事ではあるのですが、まだUXやデザインについての概念が自分の中でふわふわしているので、もっと「UXとは」「デザインとは」について深く学びたいです。
というわけで、今後はもう少し概念系の本を中心に読んでいこうと思います。